FILCO Majestouch2 Tenkeyless 黒軸
「Majestouch 2 Tenkeyless」の黒軸を購入した。
型番はFKBN91ML/JB2
テンキーが無い、日本語配列(かなあり)のタイプ。
ダイヤテック株式会社の製品である。
http://www.diatec.co.jp/index.php
新人の頃の追憶
ぼくは、新人の頃使ったIBMの汎用機「3081」に接続されたTSO端末のキーボードの感触が忘れられない。
金属製の頑丈な筐体で出来たキーボード装置だった。
もしかするとキー自体も金属だったかもしれない。
打鍵するとカタカタと小気味よい音をさせてグリーン文字のディスプレイに英文字をタイプしてくれた。
タイプライターを打っている感覚に近いのだと思う。
このキーボードを体験出来る専用のTSO端末は、IBMのパソコン5550が発売されるとともにすぐに駆逐されて、ぼくの周りからは無くなってしまった。
5550はキーボードがペタペタヌメヌメしており、打鍵する楽しさが消滅してしまった。
さらにディスプレイは黄色文字であり、目に優しいと言われてはいたけれど、ぼくは気に入らないばかりか、長く使用していると頭痛を引き起こすようになっていた。
そして現在
5550の安っぽいキーボードは、その後のパソコンの世界の主流になり、あの小気味よい打鍵の感触は、地球上から消えてしまったのかと思っていたら、そんなことはなかったのですね。
コストがかかるため、PCの付属品のキーボードは相変わらずペタペタヌメヌメだけど、別売りのキーボードの中には、あのカタカタの小気味よい音をさせるものもあったのだ。
最初に見つけたのは、PFUのHappy Hacking Keyboard。
Amazonの購入履歴をみると、2012/10/15になっているから、約4年前のこと。
Happy Hacking Keyboardは、キーボードの中では高価なものなので(確か3万ぐらいする)、ぼくは、安価なタイプLite2を購入したのだが、それでも、「ああ、これだよ、これ!」と思うことが出来た。
記憶の中にあるカタカタの打鍵が蘇ったようで、とても心地よい。
ただ、TABキーのすぐ上にESCキーがあり、日本語入力に切り替えるつもりのタイプミスで、入力していた原稿を何度もキャンセルしてしまった。それに慣れるまでは、やっかいだった記憶がある。そして、1年ほど使ってるうちに、今度は壊れてしまった。
なんとなく気が抜けたような状態になり、再びペタペタのキーボードを使っていたのだが、やはり満足感がない。
そこで、またPFUを購入しようかどうか迷っていたときに、FILCOのキーボードに出会ったのである。
黒軸か青軸か
FILCOのキーボードは、キーひとつひとつが個別のスイッチになっているメカニカルタイプである。
このスイッチは、性質が異なる4種類のタイプがあり、好みの打鍵感覚を選ぶことが出来る。
黒軸 クリック感:なし 押下圧:約60g ±20g
青軸 クリック感:あり 押下圧:約50g ±15g
茶軸 クリック感:あり 押下圧:約45g ±20g
赤軸 クリック感:なし 押下圧:約45g ±15g
実際に、製品が置いてあるお店に足を運んで、青、赤、黒、茶の打鍵の感覚を試してみた。
最初の印象で、黒軸がいいと思ったのだが、黒軸はクリック感がなしと書いてある。
カタカタ好きのぼくが、クリック感がないキーボードでよいのか、いやいや、実際に打鍵したときには、かなりカタカタの具合が良かったぞ、などといろいろ頭の中で考えたり、再びお店に行って再度体感してみたり。
そして、結果的に選んだものが、今回購入した「Majestouch 2 Tenkeyless」の黒軸であった。
ネット上で情報収集する限り、黒軸はもっとも人気がないようである。
だが、お店では、何度叩いても黒軸がよかったし、今、使っているけれど、選択に間違いはなかったと確信する。
もっとも、もう少し若ければ、ぼくも青軸を選択していたような気がする。
青軸の激しく騒がしいカシャカシャしたクリック感は、プログラミングなど、がんがんのりのりでタイプするとき、かなり小気味よいと思うから。
気に入ったところ、気に入らないところ
打鍵の感覚は、申し分ない。ぼくなら、一生このキーボードでよい。
キーボード本体の剛性もしっかりしており(かなり重量もある、1.3Kg)安定感がある。
付属の透明なプラスチックカバー(梱包用かもしれないが)は、使用していない時の保護になり重宝する。
気に入らなかったところは、今のところなし。
あえていうならば、キーに刻印されている文字が、前面印刷・かな印字なしのタイプを選べばよかった。
なんといっても、見た目かっこいいのである。
実は、勘違いしていて、購入前、前面印刷のタイプは英語キーのみだと思い込んでいた。
ところが、さきほど、この記事を書くために、製品製造元のダイヤテックさんのページを見ていて発見してしまった。
残念。